今やこれらの"unknown sound"(未知の音楽)は日々変化をとげ、生成をくりかえしながら、たくましく成長していることがおわかりでしょう。TVやFMという既成の枠にはまりきらないのも、その成長過程の変化が早く、一瞬をとらえることはできても、次の瞬間には異なった姿になっていたりするからです。それはまるで電子の動きやレトロ・ウィルスの動きと呼応しているかのようです。
これら2枚のCDはいってみればその変化の軌跡をとらえた"Audio Film"なのです。ごく一部をきりとった断片にも全体の情報が相似形で含まれる、というのはホログラム・フィルムの理屈ですが、それと同様にこのオーディオ・フィルムにも、世界が反映されているでしょう。では、このCDの表現する「プロセス」は、一体世界の何を反映しているのでしょうか。 その答えは今後、デイジーワールド・ディスクが解いてゆくつもりです。
デイジーワールド・プロデューサー
細野晴臣
1997年 新春
細野晴臣
1997年 新春