1997年01月01日

around the daisyworld

デイジーワールド・ディスクは現在の世界中で密かに、しかし、確実な方向感覚を持った新しい響きの音楽を中心にリリースしていく、少しエッジのとんがったレーベルです。  第一回のリリースは、そんな新しい流れの中からランダムにすくいあげた、いわばドキュメントともいえるコンピレーションを1枚、そしてもう一つは去る1995年の秋にスタートした、東京〜フランクフルト〜N.Y. というエレクトリック・トライアングルの記念すべき作品を、日本で初めて紹介するものです。
今やこれらの"unknown sound"(未知の音楽)は日々変化をとげ、生成をくりかえしながら、たくましく成長していることがおわかりでしょう。TVやFMという既成の枠にはまりきらないのも、その成長過程の変化が早く、一瞬をとらえることはできても、次の瞬間には異なった姿になっていたりするからです。それはまるで電子の動きやレトロ・ウィルスの動きと呼応しているかのようです。
これら2枚のCDはいってみればその変化の軌跡をとらえた"Audio Film"なのです。ごく一部をきりとった断片にも全体の情報が相似形で含まれる、というのはホログラム・フィルムの理屈ですが、それと同様にこのオーディオ・フィルムにも、世界が反映されているでしょう。では、このCDの表現する「プロセス」は、一体世界の何を反映しているのでしょうか。 その答えは今後、デイジーワールド・ディスクが解いてゆくつもりです。

デイジーワールド・プロデューサー
細野晴臣
1997年 新春
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