2001年12月02日

バンド・オン・ザ・ラン!月間



ワールドスタンダード/鈴木惣一烽フ 実録!モンドくん日記


「趣味を軽く扱うな。趣味は選択であり、その人の生き方につながる」。ハリーの名著『地平線の階段』からスーザン・ソンタグ氏の引用です。ホントその通りで、音楽にまつわることすべてが僕のお仕事であり、全くの趣味。だから毎日がお遊びでお仕事。ですから、たのしくたのしく疲れます。この「モンドくん日記」は基本的に僕が毎日、何を見て、聞いて、買って、読んで、何を感じたか?それだけを記したものです。けれど、その記述だけで僕自身の全人格、生き方がわかります。わかるはずです。すべて実録いやホント。気軽に毎週ウォッチングしてみてください。さあ、今日から貴方もモンドくんウォッチャーだ!。(鈴木惣一朗/worldstandard)

バンド・オン・ザ・ラン!月間

11/5(月)
あがた森魚ライヴ・リハーサル。一日ずっと。それにしても、いろいろと仕事が溜まっている。11月はライヴ三昧で駆け足で過ぎてしまうな。自分を最速にして、一気に駆け抜けてみようと思う。

耳にした音源.....古内東子「イン・マイ・ライフ」

11/6(火)
昨日のリハの曲の譜面、見直しなどする。そんなこんなで一日、終わってしまう。静かな火曜日。

11/7(水)
昼間、渋谷カフェ・マドゥでノアルイズ/オオシマくんに某企画の本の件で相談される。オオシマくんは、いつもはノアルイズで酔っぱらってウクレレを弾いているオモシロ・ニーチャンだが、今日は「仕事の顔」をぼくに初めて見せた。彼も日々、頑張ってるんだと思った。秋は深まり、渋谷公会堂へ連なる坂道を赤く照らす。暖かいコートでも買いたい。

11/8(木)
アノニマス(ANONYMASS)のライヴ・リハーサルで夜中12時、初台のリハーサル・ルームへ。こんな深い時間帯にバンドの練習するなんて学生時代以来だ。どら焼きを食べながらドラム叩く。今は朝、戻ってきて自室、お腹がぺこんと減ってる。2個目のどら焼きでも食うかな。

11/9(金)
テイチク本社へ。今日は取材日。サウンド&レコーディング・マガジン誌で、ノン・スタンダードのリイシューの件、インタビュー受ける。アーティスト写真も撮られたが、カメラマンのひとに「現代美術のひと」みたいですね、と言われる。「現代美術のひと」。どんな感じだ?。

今、気に入ってる曲....中島美嘉「STARS」

11/10(土)
オフ日。ドラムを急激に叩き過ぎで、全身筋肉痛、なので眠る土曜日。


11/11(日)
京都のシンガー・ソング・ライター/オクノ修くんが東京でライヴをする日。で、仕事が済めば駆け付けるつもりが、全然間に合わず行けず。ひどく残念。

11/12(月)
昼間11時から、あがた森魚氏のライヴ・リハーサル。ずっと一日眠かった。けれど、そんな呑気なことより、今日は又しても、大変な飛行機事故。胃が一気に縮む。テロではないと今日の時点では報道されているが、そうであってもなくても、何かの警告のようにも思う。人間が過信したこと、おごりが罰せられてるかのようだ。それにしても静かに暮らすことが出来ない日々。こころのバランスが取りにくい。せめて、目の前の音楽に集中しようと思う。そんなことぐらいしか出来ない。

11/13(火)
オフの日。だけど、アノニマス(ANONYMASS)やあがたさんのライヴ用の自分用の譜面作りに勤しむ。他の人が見ても全然解らぬ、本人だけがわかる、いわゆるアンチョコ。しかし、本番ではぼくは見える所に置くけど、実はほとんど見てない。譜面が完成した時点で、曲は頭というより、身体に染み入っている。学習とはそういうものなのだろう。

11/14(水)
本当に長い一日。まず、昼から夕刻まで、初台のリハーサル・スタジオであがたさんの最終リハーサル。夜、食事の後、池尻大橋のマルニ・スタジオに機材と一緒に全員で移動。「オー・ド・ヴィル(命の水)」というあがたさんが今度出る映画のエンド・テーマのレコーディング、ダビング。終了は夜中の4時。皆は帰宅。ぼくは居残りで、それから何と早朝ミックス・ダウンに突入。すべてが終わったのが朝の8時。でも、今も意外にぼくは元気。不思議。

頂き物、良かった音源....HAMADA MARIKO『 MARIKO』

11/15(木)
家のスタジオでプリ・プロダクション・デイ。来月から始まるモロモロの外人の方々のレコーディングものの下準備。など。

11/16(金)
朝、10時、アノニマス(ANONYMASS)のゲネプロで駒込のスタジオへ。スタジオには、このイベントの企画者/何と!元アーバン・ダンスの成田忍くんも来て、スタジオで本当にひさしぶり(6年ぶりかな?)に会い、お互い談笑。音楽のフィールドが違うこともあり仕事で会うことはまずないけれど、同級生に会ったみたいな感じだ。ノンスタ同級生というわけだ。それにしても、いわゆるビジュアル系の方のイベントのため、どうにもぼくは居心地が悪い。髪の毛は金色のひとが多く、眉毛も薄い方々も多く、うっすらメイクなどもなさってる様子、何ともぼくは不思議な気持ちだ。帰り際、自分のバランスを崩した?ため大量の餃子を食し、たいへんに気持ち悪くなる。

11/17(土)
倦怠感たっぷり。何か、ひどく疲れてるのは昨日のビジュアル系の方々の強烈なオーラのせいか。眠る。とにかく。


11/18(日)
ぼくが加入して初めての、アノニマスのステージ。横浜ベイホールへ。ここは確か、かのプリンス様が訪れるために作られたホールのはず。何とも’80年代な雰囲気の場所で、すごい独特。続々と現れるビジュアル系のミュージシャンの方々も大変な装いで、楽屋でアノニマスのメンバーは小さくなっていた。本番のステージは、この過酷な状況にしては良いステージで、このグループの手ごたえを感じた。それにしてもなぁ、何かひどく疲れ、打ち上げも失礼させてもらった。ある意味、経験にはなったと自分に言い聞かせ眠る。

11/19(月)
「バタン・キュー」とはこのこと。全くもって一日、バタン・キュー。ベッドで冬眠。明日からあがた森魚氏との旅、名古屋、京都へ。良い季節だ。

11/20(火)
名古屋、得三というライヴ・ハウスへ。ブルースの雰囲気たっぷりの箱で、グッド。壁が古いレンガ。反響音が良くて、ここで録音したら気持ちのよいデッドな感じになるなぁと、ルーム・アンビエンスをチェックなどするのは明らかに職業病。コンサートは明らかにリハーサル不足だったはずなのに、意外?に良い感じ。ラフでアクシデントも多かったけど、それを越える、音楽の暖かい信頼関係がメンバー間にあった。こういうのを、「いいライヴ」と言うのだと思う。でも、明日はもう少しみなさん間違えないように。終了後はDJブースで大好きなレコードをみんなで聴いて和む。楽しかった。

11/21(水)
京都へ。磔々。ひさしぶり、ぼくは何と20年ぶりぐらいに訪れた。何も変わっていない老舗のライヴ・ハウス。この日のステージはとても印象的。何と言うのだろう。終了後、ぼくとあがたさんは、ソファ−で30分ほど放心状態になって眠ってしまうほど、パワーを出し切ったもの。昨日同様に、ラフな部分も多かったが、すごく良かったと思う。磔々という場所がそうさせたのだとぼくは思った。こんなことを書いてはいけないのだろうけど、東京でのクアトロは、おそらく、このステージは越えられないだろう。そう思ってしまった。

11/22(木)
東京へ戻る。駅弁、食べ過ぎ。ふつうのごはんが食べたいなぁ。「金八先生」のビデオを見ながらベッドで気絶。

11/23(金)
あがた森魚、渋谷クアトロ本番。一昨日の日記通り、ぼくは越えられなかった...。何か力んだというか、集中しようと思うほどに滑った。ライヴ及びツアーのカタルシスというのは、いくら頑張っても一回しかない。本当に音楽は難しい。しかし、こちらの思惑を別にして、見に来て頂いた方々からは「良かったよ」の言葉をいっぱいもらった。感謝。とにかく終わった。

11/24(土)
下北沢ラカーニャへ。今日は元キングストン・トリオのジョン・スチュアートさんの奇跡のライヴの日。細野さんと一緒に見ようと思ったのだけど、細野さんは結局、仕事で「鈴木くん、録音してきて」と頼まれる。ぼくは主催者の麻田さんに承諾をもらい、ステージをMD で録音しながら見た。ジョン・スチュアートさんはアメリカン・ゴシック?な歌声でささやかれた。低く、深く、迫力があった。ウェスト・ポーチを付けたまま歌ってるのが、ツーリスト的で印象的、粋。終了後、隣のおでん屋で一緒に見た桜井君、高田レン、福岡くん、ノアルイズ/アベくんと和んでいたら、ジョン・スチュアートさん&麻田さん登場。麻田さんとは来年のお楽しみ計画いろいろを相談する。実現したら嬉しいことばかり。みんな実現するといいなぁ。


11/25(日)
もはや毎日飲み過ぎの騒ぎ?過ぎ。ドッと疲れてます。今日はアミューズのリハーサル・スタジオへ。来週のサザンの関口さんのステージのゲネプロ。ひさしぶり、本当にひさしぶりにノアルイズとジャグる。関口さんから「美しい。ノアルイズは以前に増してひとつのサウンドになった」と静かにほめられる。うれしかった。

11/26(月)
今度は、今日はアノニマスのリハーサルというかゲネプロ。来週行われる、下北沢QUEのムーンライダーズ/白井さん&武川さんのユニットとの対バン・コンサートのためのもの。もはや肉体はバンド・マン体質となっており、コンビニの不味いおでんや、チョコレート、おせんべいなどもガンガン食べちゃう。食べながらプレイ。終了は夜中。更にファミレスで坦々麺なども食べる。太るなぁ、これじゃあ。

11/27(火)
オフ日。最近、ほとんど、新しいCDを買いに行けてない。普段、元気なら今日なんて飛び出すんだけど、もう相当に無理。家でツタンカーメンのように1ミリも動かず眠る。明日はサザンの関口さんのソロ・ライヴ。少し緊張。

11/28(水)
昼に起き、渋谷へ。トランスコンチネンツでP・コートを衝動買い。の後。渋谷AXというホールへ。大きくてりっぱな所。ノアルイズはオープニング・アクト。サザンの関口さん、青柳くん、高野寛くん、ウクレレのイワオさん、パーカションのオイちゃんなどなど、みんな楽しくてうれしい仲間。フレンドリーなステージとはこういうことを言うのだろう。まるでリンゴ・スター・オール・スターズのステージ?に出たような和みの極地。ぼくはずっとリラックスしていた。良いステージだった。打ち上げもイワオさんのウクレレをバックに、ぼくもいっぱい歌った。麻田浩伯父もずっと一緒で「来年、オレは歌を歌うぞ、ウエスタン・スイングやるぞ」と遂に言った。ぼくは「すごくいい。ひゃっほー」と叫ぶ。高野くんより頂いた音源.....スーパー・バター・ドッグ『grooblue』、ナタリーワイズ『ナタリーワイズ、フー?』

購入ボックス......Penguin Cafe Orchestra/History

11/29(木)
足どり本当にフラフラで下北沢QUEへ。風邪をひきやすいぼくが、今年はあまりひかず、何とかすべてこなしてる。自分でも感心...。今日はアノニマスの2回目のステージ。PAトラブルが多く苦戦するが、そんな時ほど、ぼくは音楽に集中する。状況に負荷が自分にかかったときほど、音楽の中で自分がきれいになる。そんなことは知っているのだ。終了後、初めてライダーズ/武川さん、白井さんと話す。ぼくは「ぼくのことを知っていますか?」などと聞いてしまうが、お二人ともにこやかに「もちろん御存知でっす」とおっしゃり、長年のファンとして光栄。白井さんはぼくのドラムから、一発で、ぼくがポーティス・ヘツドの大ファンだということを見破った。「その通り」。御大、流石です。非常に気持ちのよいお二人で、ふつふつと、うれしかった。

ムーンライダーズぼくの好きな音源.....ムーンライダーズ『アニマル・インデックス』

11/30(金)
秋葉原、福岡くんのスタジオへ。今日は高田レンくんのソロのデモ録音。メンバーはぼく(ドラムス)と、レンくん(ペダル・スチール)、桜井君(ギター、ベース)。レコーディング途中、福岡くんが携帯電話を聞き、突然、顔を曇らせた。「どうした?何かあったな」と問いつめると「ジョージ・ハリスンが亡くなった」と言う。残念。ひどい気持ち。桜井君はすぐに「マイ・スイート・ロード」をギターで奏でた。以前、ジョン・フェイヒイが亡くなった日にも録音をしていたことがあるが、それによって音楽はやはり変化する。悲しい日。悲しい録音。11月も終わる。

12/1(土)
新宿高島屋HMV へ。今日はノアルイズの発売記念ストア・イベント。11/28、遂に彼らのメジャー・デビュー盤『ノアルイズ・マーロン・タイツ』が発売されたのだ。良い感じでファンの方も集まって頂けて、サイン会などもしてしまう。終わって、夜はまだ浅く、無論、みんなで飲みに行く。すでに忘年会ムードだ。みんなお疲れさま。「乾杯!」。


12/2(日)
終わりの季節。バンド・オン・ザ・ラン月間もやっと終わり....。今度のミュージック・マガジン誌用の「個人別年間ベスト・アルバム10選」の原稿を丁寧に書き、一日を終える。いろいろと溜まっていた机の上の雑務を片ずけないといけない。さぁ、今度は地道な地味ーな、宅録レコーディングの日々。世界中のいろんな事件で、ひどい幕開けとなった21世紀の2001年も、あと一ヶ月。
終わりの季節音源....ジェームス・テーラー『ワンマン・ドッグ』
posted by dwww at 00:00| 実録!モンドくん日記