2001年10月07日

ティンパン・ボックス週間



ワールドスタンダード/鈴木惣一烽フ 実録!モンドくん日記


「趣味を軽く扱うな。趣味は選択であり、その人の生き方につながる」。ハリーの名著『地平線の階段』からスーザン・ソンタグ氏の引用です。ホントその通りで、音楽にまつわることすべてが僕のお仕事であり、全くの趣味。だから毎日がお遊びでお仕事。ですから、たのしくたのしく疲れます。この「モンドくん日記」は基本的に僕が毎日、何を見て、聞いて、買って、読んで、何を感じたか?それだけを記したものです。けれど、その記述だけで僕自身の全人格、生き方がわかります。わかるはずです。すべて実録いやホント。気軽に毎週ウォッチングしてみてください。さあ、今日から貴方もモンドくんウォッチャーだ!。(鈴木惣一朗/worldstandard)

ティンパン・ボックス週間

10/1(月)
溜池、クラウンへ。ティンパン・ボックス、リ・マスターリング、スタート。まずは、大横綱!何と『トロピカル・ダンディ』『泰安洋行』。決して大袈裟ではなく、ぼくの人生を狂わせた座右の名盤2タイトル。アナログ盤で自分がガンガン聴いていた頃のウォームな響きに調整しました。みなさんに気に入って頂ける音像になれるよう、12時間近く頑張りましたが、いかがでしょうか。毎度よろしくお楽しみ。いやあ、ホント疲れた。

10/2(火)
ティンパン・ボックス、リ・マスターリング2日目。『バンド・ワゴン』『キャラメル・ママ』。せっかくなので、ぼくにしては珍しく?茂さんの『バンド・ワゴン』の思い出話しを書こう。実は、ぼくが初めて自分のお金で買った邦人ロック盤が『バンド・ワゴン』!(因に邦人歌謡盤はドリフターズ『全員集合』)なのだ。はっぴい、でも、細野さんでもない。中学時代、浜松に今でもある小さなレコード店「イケヤ」さんで買った。実はその日、ぼくは別の某邦人ロック、当時人気のあった、ゴ○イゴのヴォーカリストのソロ盤を買いに行ったのだが、店内に鳴り響く『バンド・ワゴン』に一発でやられた。セピアっぽい、まるでレーシング・レーサーのような、かっこいいジャケットもグッときた。「まるで輸入盤みたいだ」と思ったものだ。あせあせと家にすぐ帰り、勉強部屋で大音量で『バンド・ワゴン』を聴く。リトル・フィートも何も知らない。この音楽が持つたまらない音楽背景なんて、ぼくはまるで知らなかった。ただただ「しびれるぅ〜」と思い、ターンテーブルを繰り返しただけだ。上京してからの引っ越しの度に、ぼくは大量のアナログ盤を捨てるけれど、このファースト・ショットの『バンド・ワゴン』のアナログ盤は今でも大切に持っている。あれから、四半世紀の時間が経ち、まさか、自分でその盤をリ・マスターリングするとは思いもしなかった。『バンド・ワゴン』のオリジナル・マスター・テープは25年の時の積み重ねによる自然劣化、何度かのリ・イシューによるヘッド磨耗によって、もはやテープの再生は限界。クラウン本部からも、今回のリイシューでマスターの再生は最後にしてくれと言われた。だから、ぼくは自分のジャッジを早めにしてマスターリング補正をした。何度もテープをかけるのは、テープにとっては身を裂かれる思いだったろう。「モノは壊れるヒトは死ぬ」。ムーンライダーズではないが、ぼくの記憶で鳴る『バンド・ワゴン』は永遠でも、それを記録した録音物はいずれ消えてなくなってしまう。自然とはそういうものだ。そんなことを思いながら『バンド・ワゴン』のリ・マスターリングを終えた。帰り際、ぼくはステューダーのデッキのヘッドの回りには、一見ほこりのような、テープの細かい残骸が散らばっているのを見つけた。本当にテープは身を削って必死で今日一日、『バンド・ワゴン』を再生してくれたのだ。ぼくは、そのひとつを指に取り、ビニールの袋に入れ持ち帰った。「砂の女」が、今もぼくの頭の中で鳴っている。

10/3(水)
サザン・オール・スターズ、ムクちゃんこと、関口さんのソロ・アルバム『ワールド・ヒッツ・オブ・サザン・オール・スターズ』の発売記念コンベンション。場所は青山CAY。ぼくはノアルイズ・マーロン・タイツの仲間と共に客演した。実にニギニギしく、メージャーなゴージャスな雰囲気で、アンコールでは何と御大/桑田さんも飛び入り参加で歌った。びっくりした。打ち上げがこれ又、楽しく、関口さんは終始、ぼくを「鈴木慶一氏の御子息ですか?」なんてトボけてた。あまりにも楽しい夜だったので、急遽、11月27に心斎橋クアトロで行われる関口さんのソロに出演することとした。なお、東京の公演はその翌日11月28日、渋谷AX 。本当に、関口さんの人柄どおりの、のほほんとしたライヴです。御機嫌です。是非、遊びにいらしてください。

10/4(木)
休日。今日のお休みCD はミーシャ&ジョビンの初めてのCD再発盤『ミーシャ&アントニオ・カルロス.ジョビン』。

10/5(金)
昼間、髪の毛を切り、3週ほど溜まっていたモンドくん日記を整理して、デイジーへ送る。そのぐらいの軽い日。けれど、ゴハンは明らかに食べ過ぎで、胃が重い日。今日、食したもの、かに釜飯、きしめん、茶わん蒸し、蕎麦屋のラーメン、カツ重、黒ラベル・ビール2缶。以上。

10/6(土)
今日は南青山のブーガルー・レーベルのオフィスへ。古いけど落ち着いたマンションの一室で気にいる。この辺は、ビリーヴ・イン・マジックのオフィスもそうだけど、ヴィンテージなのに清潔感のあるシックなマンションがあるところ。好きな場所だな。ディレクターの平田くんは、かつてはポニー・キャニオンにいた、和み系ディレクター。ぼくとはいろんな仕事でニアミスしている人。今は、あのノアルイズも所属するブーガルー/now go mix レーベルのヘッドだ。今日は、実は来年、ぼくがぼんやりと「やってみたいなぁ、実に....」と思っていた日本人/若手/ペダル・スチール奏者/R.Tくんのソロ・アルバムをプレゼンをしてみた。平田くんは快く盛り上がってくれた。良かった。まず、デモを一曲作らないといけない。夜、この件で、日本人/若手/ペダル・スチール奏者/R.Tくんと電話で話す。ぼくは彼に相談するでもなく、勝手にこの企画を考え、プレゼンしたのだ。R.Tくんは、かなりびっくりしてたけど、すごく喜んでくれた。R.Tくん、本名は高田蓮(高田渡さんの息子さん)くん。ぼくはすごく期待している。21世紀、これからの、素晴らしい音楽家です。実現したらいいな。

ブラジル購入音源....ナラ・レオン『美しきボサノヴァのミューズ』、シナーラ・イ・シベーリ『シナーラ・イ・シベーリ』


10/7(日)
腰痛なのに無理にウォーキングしたら、案の定、腰痛。当たり前か。なので、ソファーで、さっきから、ぼんやりずっと聴いている。ナラ・レオンの『美しきボサノヴァのミューズ』。これが、とてもいい。パリに亡命中のナラが、もはや出ない声をふりしぼって歌う様は、まるでアシッド・フォークの様。アレンジはトウッカという才女で、調べたら、何とフランソワーズ・アルディのぼくが一番好きなアルバム『私小説』のアレンジもやっているひと。哀しみのボサノヴァを奏でらせたら、このひとの右に出るひとはいないな。秋になって、枯れたブラジルものを聴くのはオツなもの。

問題音源.....マイケル・ジャクソン『ユーロックマイワールド』
posted by dwww at 00:00| 実録!モンドくん日記