2001年08月21日

ヴェスパタイン週間



ワールドスタンダード/鈴木惣一烽フ 実録!モンドくん日記


「趣味を軽く扱うな。趣味は選択であり、その人の生き方につながる」。ハリーの名著『地平線の階段』からスーザン・ソンタグ氏の引用です。ホントその通りで、音楽にまつわることすべてが僕のお仕事であり、全くの趣味。だから毎日がお遊びでお仕事。ですから、たのしくたのしく疲れます。この「モンドくん日記」は基本的に僕が毎日、何を見て、聞いて、買って、読んで、何を感じたか?それだけを記したものです。けれど、その記述だけで僕自身の全人格、生き方がわかります。わかるはずです。すべて実録いやホント。気軽に毎週ウォッチングしてみてください。さあ、今日から貴方もモンドくんウォッチャーだ!。(鈴木惣一朗/worldstandard)

ヴェスパタイン週間

8/13(月)
世の中はお盆休み、ぼくは「白い犬とワルツ」の件で難しさに直面の日。自分の力不足を感じる。マイッチング。

マイッチングそんな時には!音源....ザ・カーディガンズ『ライフ』

8/14(火)
ビョークの新作『ヴェスパタイン』を聴いて...。こころに浮かぶままに煩雑に書き連ねます。音の内側に自分が入り込む快感。今、作られている音楽に共感できる喜び。音楽は本来、ものすごく自由であることへの希望。圧倒的な個人の存在感、現代の音楽芸術では奇跡とも言えるダイナミズム。テクノロジーとオーガニックな世界の素晴らしい融合。音響系(もはや死語)は、こうした形でエンターテイメントなロックの音楽の、普遍的な(普通の)アプローチとして取り込まれた。デジタル・ノイズは、もはや、ヒップ・ホップのアナログ・スクラッチ・ノイズ同様、音楽にとって、あって当然のもの(なくても構わない、そんな普通のこと)、そんな感じになってきた。もう驚かないで楽しむ。音響は、一喜一憂することではない。レディオヘッドも同様、結局やはり、曲がいいから、みんな支持するんだ。とにかくとにかく、ビョークの歌唱と曲が素晴らしいなぁ。注目すべきは、やはりいつも本質的な部分。やはり、そこ、でしょう。こどものような成熟したおとなの世界とでも言える。善と悪の響き、などともつらつら思う。人間の説明できない感覚を表現するオブジェとしてのコンパクト・ディスクの世界、これからも可能性がある。この音があれば生きてゆける。音楽を明日も元気に自分でも作ってゆける。紛れもない傑作にぼくは、信仰にも近い気持ちを抱く。ホントに。ロック・ミュージックに夢中になって30年。ビートルズがその出会いだった。あれほどの感動を与えてくれる音楽を、他にあれこれ探し続けた30年とも言える。『ヴェスタパイン』は30年のぼくのロック・リスニングの集大成。その音楽との突然の出会いにぼくは目眩する。すごい。すごいなぁ。見事だなぁ。自分の五感すべてで受けとめたい音楽。これは音楽なのか、ひとつの体験。「こころに染み入る音楽」という、ひどく使い古された言葉が、等身大でぼくに迫る。入ってくる。感情は完全に解放された。ビョークは、これほどの作品を作りあげ、今、何を思っているのだろう。彼女はもう、今後、これ以上のものを作れないはずだ。この世に「絶対」という言葉はないけれど、きっと、それほどのことが起こってしまったはずだ。『ヴェスタパイン』はただ聴くだけで、見事にすべてのひとに、それを証明する。こんな音楽はもう誰にも何処でも作れない。「パーフェクト」なんて言葉もこの世には存在しないけれど、『ヴェスパタイン』なら許される。ぼくの言い方を大袈裟と思っても、ただ聴くだけで、皆、ぼくと同じように感じるはずだ。そんなことも本当にあるさ。疑ってみても「本当」という言葉が、この世にないとしても『ヴェスパタイン』には「真実の世界」がごろんと転がっている。生々しい。音楽の世界はやっぱり素晴らしい。こんなものが本当に作れてしまうなんて。絶対無比。美しいなぁ。自分に「生」を与えられた時間に、こんな響きに出会えたなんて。すごいなぁ。勇気。そうだなぁ、聴いた後で、ぼくはさっきより強くなれた。ぼくはずっと聴いてゆこう。『ヴェスパタイン』。

8/15(水)
音楽家/山本哲也くんを家に呼び、パリから届いたシルヴェインのマルチCD-Rをマックで解凍してもらい、A-DAT へと移植。マルチには4つの音だけ入っている。古いリズム・ボックス、歌、トレモロのオブリガード・ギター、シルヴェインのバッキング・ギター。さぁ、どう料理しようかな。来週から作業する。

8/16(木)
ビクター、フレア・スタジオでいつものノン・スタンダード再発マスターリング。メニューはベスト盤とシショーネン。来客は福岡くん&トーゴーくん&デザイナー岡田くん&土橋くん。一階の食堂で、福岡くんの新作用に一曲書いた曲を聴いてもらう。うまく歌詞が乗るといいのだが。不安。

8/17(金)
初台ノア・スタジオへへ。あがた森魚氏、新作レコ−ディング用のリハーサル。昨夜、変な姿勢で寝たためか、首から肩にかけて激痛。つらい。サロンパスを貼り、6時間ドラム叩く。でも、バンドの仕上がりはよく、いい感じ。来週のレコーディングが楽しみ。

8/18(土)
11月開店の(遂に出来た!)下北沢「ノアルイズ・レコード」へ。その特集なスペースで、マイクやらレコーダーやら卓やら搬入し、某大物グループのベーシストSさんのソロ・アルバム用にノアルイズ全員で一曲レコーディング。何とも無謀な試みだが、うまくゆく。Sさんも御満悦。来週にはマスターリング。10月末、ビクターより発売。

8/19(日)
白金台「トランブラン」へ。今日は福岡くんとノアルイズのジョイント・ライヴ。ファミリアルに盛り上がった。告知もちゃんとしていないのに、皆さん、ちゃんとお集まり頂き、恐縮だった。それにしても、首が痛い。もしかして、俗に言うところの「四十肩か!」。

8/20(月)
再び、山本哲也くんを招き、ぼくのスタジオの新しい機材やスピーカーの調整。相当、いい感じになってきた。もはや何でも出来そうな感じ。


8/21(火)
台風の雨。渋谷老舗喫茶店「マックス・ロード」へ。今日は、9月売りの『レコード・コレクターズ』誌の「ボブ・ディラン特集」のために、鈴木カツさんと特別対談。9月に出る、ディランの素晴らしい新作に熱弁した。お楽しみに。

今週購入音源.....ダン・ヒックス『アライヴ&リッキン』、ORWELL『des lendemains』、SENSE 『A VIEW FROM A VULNERABLE PLACE』、KEITH FULLER『 TON WHITEMAN』、アンドリュー・コールマン『エヴリシング・ワズ・ビューティフル・アンド・ナッシング・ハート』
若き才女音源.....ハミルトン『ハミルトン』
posted by dwww at 00:00| 実録!モンドくん日記