2001年07月29日

ニール・ヤング見れず仕事三昧週間



ワールドスタンダード/鈴木惣一烽フ 実録!モンドくん日記


「趣味を軽く扱うな。趣味は選択であり、その人の生き方につながる」。ハリーの名著『地平線の階段』からスーザン・ソンタグ氏の引用です。ホントその通りで、音楽にまつわることすべてが僕のお仕事であり、全くの趣味。だから毎日がお遊びでお仕事。ですから、たのしくたのしく疲れます。この「モンドくん日記」は基本的に僕が毎日、何を見て、聞いて、買って、読んで、何を感じたか?それだけを記したものです。けれど、その記述だけで僕自身の全人格、生き方がわかります。わかるはずです。すべて実録いやホント。気軽に毎週ウォッチングしてみてください。さあ、今日から貴方もモンドくんウォッチャーだ!。(鈴木惣一朗/worldstandard)

ニール・ヤング見れず仕事三昧週間

7/22(日)
昼間から夕刻まで「ミート・ザ・ワールド・ビート」御観覧。小坂忠&フレンズというか、ティン・パン、猛暑の中、頑張ってたなぁ。そうだ!実は、昨日の深夜、偶然の導きで、先週の日記で書いたオクノ修さんと、京都-東京間、電話で話す。実に20年ぶりのことだ。ぼくのこと覚えていてくれるはずないと思ったが、オクノさんはニコヤカに「覚えていますよー」と言ってくれた。ちょうど、コンサートの後だったとのことで、高揚した笑顔が目に浮かぶ。彼のステージ、ぼくは、いつか絶対、見てみたい。ぼくの好きなうたはいくつもある。けれど、特に好きなうたは「うたううたうたい」。

どれが僕のものか ひくく頭さげて
わらいかけてやめた ひとりでいたくせに
夢のはなしだから 悪く思わないで
きみのたべた わた菓子みたいな重さだから
うたううたうたい うたはないうたはない
さらにひくくかるく のぞみながらあるく
とどいたかな手紙 すてられてしまったかな
「うたううたうたい」/オクノ修
7/23(月)
KAMA AINA こと青柳くんの次のアルバムのリミックスというかダビング作業、戦前のおもちゃドラム、小鳥の笛など、一日ずっと演奏。アポ関係は、あがた森魚氏(ニュー・アルバムの件)、マップのノリノリ・ノリオ(今の音楽シーンの件)、福岡くん(ニュー・アルバムの件)等。それにしても、今日も暑い。雨は全く降らず、今年の夏は壮絶と言ってもいい。8月の水不足が本当に不安。

7/24(火)
昨日のKAMA AINA 録音 の続き。ボロボロの指でギター、テナー・ウクレレなどを弾く。先週に引き続き、相変わらず手指の荒れはひどい。仕事のストレスなのだろう、おそらく。作業中、フェルゼア・クリームを何度も塗る。電話は『白い犬とワルツを』のラッシュの件、あさってのノン・スタンダードものマスターリングの件。エアコンのある部屋にずっといるせいか、身体が重い。

7/25(水)
落雷、突然の豪雨の日...。今日は、ぼくが入魂で監修した戦前ものコンピ盤『JUMPFOR JOY』(P-VINE)発売日である。今までいろいろなコンピに携わったが、ジャイヴを中心としたこのコンピは本当に大変だった...。門外漢の人間が、聴き手(ユーザー)と同じ目線で、この考古学的音源に挑むことの無謀さは承知の上、それを「ライトな感覚で、ぼくがわかりやすくする」なんてことで始まった企画だが、ぼく自身は相当ヘヴィになった。黒人音楽の層の厚さは並み大抵ではない。なまぬるいヒューマニズムでは決して近付けないもの。ぼくのリスニングは始まったばかりだ。ジャイヴ、ジャンプ音源、これほどエキゾチックな音楽はない。よろしくお楽しみ。

今日発売もうひとつの重要音源.....V.A『ミシシッピー・ジョン・ハート・トリビュート/アヴァロン・ブルーズ』:2001年、上半期最高の素晴らしい愛の音源。帯推薦文は、一時間じっとじっと考えてぼくが書きました。すべての音楽ファンにお薦めします。

7/26(木)
ビクター・スタジオというか、フレア・スタジオへ。今日は秋にテイチク本体よりリリースされる「ベスト・オブ・ノン・スタンダ−ド/リ・マスタリング・シリーズ」のリ・マスタリング一日目。ぼくは全体の監修、リ・マスタリングをやることに...。まず、メニューは細野さんの『メイキング・オブ・ノン・スタンダード・ミュージック』、ワールドスタンダード『ダブル・ハピネス』からスタート。マスターリング・エンニジニアは小島庚太郎さん、初めての顔合わせだ。1980年代のリアルなマスター・テープを24ビットに変換、解像、今の自分の耳でイコライジング、コンプレッション、CDフォーマットに変換する作業。16年近く時間が経ったテイチクのマスターだが、心配したコンデイションは良好、裸のマスターの音がぼくの目の前に現れる。音楽は音像においしい音がいっぱい入っていれば、リ・マスターリングによって、幾らでも引き出せるもの。ビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』のステレオ・ヴァージョンがそうであったように、新鮮な驚きがあるものだ。『メイキング・オブ・ノン・スタンダード・ミュージック』と『ダブル・ハピネス』も、今日のリ・マスタリングによってきっちり生まれ変わった。庚太郎さんの素晴らしい手腕を借り、本来かくあるべき姿に戻ったと言っても過言でない。ぼくは感無量だった。デジタルとアナログが格闘した過度期/1980年代のノン・スタンダードの音が、2001年にきちんと気持よく響いたことがうれしかった。ぼくたちは間違っていなかったのだ。帰宅後、BSで何度目かの映画「ジョンとメリー」鑑賞。偶然にも、ぼくは今日、イーヴィ・サンズの『エニー・ウェイ・ザット・ユー・ウォント・ミー』(「ジョンとメリー」のタイトル・チューン収録)を買っていたのだ。「ジョンとメリー」、ぼくの等身大、生涯の映画だ。何度見ても好きだ。

7/27(金)
あがた森魚氏のニュー・アルバム、急遽、8月のレコーディング正式決定となった。テレビ・ドラマの収録で北海道にいる氏と電話ミーティング...。トライする曲は4つ。「アヴァンチュリエール」「バルカン」「風立ちぬ」「億光年の岩で転げてる」。さぁ、どうなる!?。
頂き物音源.....ウッド・ストック・マウンテンズ『マットエイカーズに帰ろう』『プリティ・ラッキー』

7/28(土)
あの!ニール・ヤング&クレージー・ホース来日、FUJI ROCKの日。ぼくは東銀座/東劇の試写室へ。今日は「白い犬とワルツを」のラッシュ日。フィルムの現段階は荒編集の、効果音も音楽もない素材の状態。けれど、豊潤な情感がギュッと詰まった作品で豊かな気持ちとなり、見終わった後、監督に、親指でグッド!サインを送る。「空間を音楽で饒舌に語ることはしたくない」などと監督と話す。監督は「フェリーニの『道』の音楽のような、音楽が映像を離れても存在できるもの、メロディアスなものを..」を繰り返す。良い作品になりそうだ。プロデューサー/ナベケンとも分かれ、ぼくは渋谷へ。福岡史朗くんの次のアルバムのブックレット用のインタビュー。収録はゲンくん。9時過ぎ、終了。ノアルイズ/アベくんと合流し、いつもの魚屋で飲んでいると、ミドリちゃん&マリちゃんも登場。何だかわからない集まりで終演は12時。帰宅後、TV「ダーマ&グレッグ」を見ているうちに疲労でぼくは失神。

購入音源....paris match 『volume one』


7/29(日)
夕刻、クラウン・ディレクタ−/瀧沢くんと会い、談笑。泰安洋行T-シャツ?(非売品/ノベルティ)も頂く。その後、いつものノアルイズ・リハーサル。すでにノアルイズは秋にリリースされるフル・アルバムの準備に入っている。いくつかのスティックを使いアプローチするが、まだ決まらず。このハイファイ・レコードで練習するのも、あと2回か(移転のため...)。だから、今日は、あの古く狭い階段を噛みしめながら昇った。古びた木の匂い、山の手線の揺らぎともさようならだ。ぼくがマニアックにアメリカの音楽を聴きはじめた20代からすでにあった老舗ハイファイ・レコード。亡きパイド・パイパー・ハウスと並ぶ、ぼくの青春のレコード店。移転して生まれ変わるのだから、喜ぶべきなんだけど、少々、せんちめんたるにもなる。
posted by dwww at 00:00| 実録!モンドくん日記