2003年03月20日
quiet voice 2003_ 3.20
世界中の自由諸国の国民が反対していたにもかかわらず、たった今、とうとう戦争が始まってしまった。世界に超大国がアメリカ一国となってしまった結果、ジョージ・ブッシュ大統領はもう恐いものが何もないと思ったのだろうか、国連はおろか、国際世論の反対をも無視する行動にとうとう一歩を踏み出してしまった。これではテロのゲリラ集団よりも、同盟国や今までアメリカを好きだったその国民に恐怖を与えるだけだ。イラクの国民でさえアメリカの映画を享受していたくらいで、誰もブッシュよりフセインが好きだとは思わないし、ただただフセインが早く何処へやらに亡命してくれれば良いと思っていた人も多いのではないか。だからこの戦争の結果は世界から淀みを一つクリアすることになり、やはりフセインは悪人だった、ということで一件落着するだろう。しかしそれで世界は落ち着くだろうか。
1920年代の暗黒街を牛耳ったシカゴ・ギャングの帝王、アル・カポネのように、その圧倒的な殺傷力を背景に、恐怖という武器を見せつけて他者を支配していくように見えるのが今のアメリカだ。もはや同盟国への安全保障とは、アメリカに攻撃されないという保障に成り代わってしまうだろう。日本の首相もその恐怖で顔が強ばっているではないか。イラク国民がフセインに本音を言えないのと似た図式だ。そうは言ってもアメリカは正常な国家に違いない。問題は9.11テロ以来、ブッシュ政権の露骨な覇権主義と傲慢さがもたらしたものだ。これが一時的なことと受け取り、今後のアメリカの政策転換に希望をつなげるほかあるまい。世界の警察でいてくれることはいいとしても、世界の暴君にはならないで欲しいものだ。政府が言えないことは我々世論で表明していくことも大事だと思う。
posted by dwww at 00:00| quiet voice 1999-2007